この本の隣にあの本を置く

本と日々にまつわることをすきなように、すきなだけ

会社を辞める、そして本を贈る。

はじめて勤めた会社を退職したとき、何度か送別会をしてもらった。ずっと行ってみたいなと思っていたちょっといいお店でのことだったり、いそがしい間を縫って個別にお食事の場を設けて貰ったり……。関係性によって御礼の仕方はさまざまになったけれど、ぐる…

結婚祝いに、レシピラックに本を詰めて贈ったよという話

仕事で知り合って、プライベートでもときどきご飯に行く人がいる。なんとなーくですますとため口が8:2くらいで話しているけれど、ちょっと踏み出して友達って言ってもいいんだろうな、そう言ったらきっと喜んでくれるんだろうな、という仲の。 少し前に彼…

無垢でいてと願うのは、ひそやかな呪い - 『LILIUM ーリリウム 少女純潔歌劇ー』

少女と永遠の命は、相性がいい。そのふたつを閉ざされた花園が包んでいるならなおさらのこと。 吸血種、花の名前をつけられた少女たち、サナトリウム、消えた友達……。本棚に並んでいるいくつかの物語がそうだったように、ミュージカル『LILIUM』は、あらすじ…

手帳と私についてのささやかな記録

ずっと、「手帳」という存在にときめいてきた。まず、本と似ているところがいい。物としてかたちが整っていて眺めているだけで素敵に思えた。そして何より、使ううちに「私だけのもの」へと変化していくのが好きだった。 手帳のことはずっと好きだったし、そ…

鑑賞する2019年

2018年の目標:毎月一本映画を観ること の達成が難しかったので、2019年も引き続き映画を観たいなと思っています。できたら美術館に行くことも増やしたいなと欲張っているので、2019年の鑑賞キャンペーンと称していたりします(私の中だけだけど!)。 以下…

今から(再び)読むコバルト文庫おすすめ5作

先日コバルト文庫についての記事が回ってきて、けっこう話題になっていた。色々思うところがあったりしたので、「今からコバルト文庫を(再び)読んでみたいかも……」という人におすすめしたい作品を選んでみました。 anond.hatelabo.jp ・比較的紙で手に入り…

2019年にやりたいこと

実はいままでの人生において、あんまり抱負や目標を立てて生きてこなかった(立てても忘れていたという気がする)。我ながらびっくりなぼんやりさを軌道修正したくもあり、2019年はもう少しきちんと立ててみようかな、と思ったのだった。あと、目標を立てて…

2018年に買ってよかったいくつかのもの

本当にわるいくせなのだけど、私が恋に落ちるものは大概地元にないものだ。一番好きなチョコレートメゾンも、愛用している香水も。ぽちっとしてしまえば数日後には手元に届くものではあるけれど。それだけではないのだ、好きなものを身近に置くために選ぶと…

今年の夏を忘れる前に

平成最後の夏は、ずっとすももと共にあった。 すももがなかったら、夏なんてもっと嫌いだった。すももがあるから、かろうじて嫌いきれないでいる。概念としての夏はすきです。記憶やイメージとしての夏は、禍々しいものだとしても素敵に思える。 今年の夏は…

本を薦めた記録:2018.6.12(3冊)

久しぶりに会う友人とお互いに自己完結しあった結果*1、ランチのお店のほかにとりたてて予定を立てないでいた日だった。ランチとカフェとをはしごして、どこへ行こう何を行こうと話したところ、「本を一冊お薦めしてほしい」ということで、本屋へ向かった。 …

映画と過ごす2018年

2018年の小さな目標は、毎月一本映画を観ること。 日が過ぎれば増えていく(はず)の、映画館とAmazonで観た映画の記録です。 ねたばれへの配慮は基本的にあってないようなものです。

由莉ちゃんのリンゴ、それから紅茶

「あなたはきっとこういうのが好きだと思って」と、とりたてて好みを明かしていないはずなのに、とても私がすきそうなお菓子とか、そういったちいさな心配りをもらうことがときどきある。 旅行のおみやげでも誕生日でもないときにぽんともたらされるそれがや…

北海道で佐々木丸美を読んだときのこと

大学の夏休みが明けたとき、私はいつもの教室ではなく、授業を休んで北海道にいた。目指したのは、襟裳岬だった。「風の館」で行われた、佐々木丸美の展示を見にいくために、初めて飛行機に乗ったのだった。