鑑賞する2019年
2018年の目標:毎月一本映画を観ること の達成が難しかったので、2019年も引き続き映画を観たいなと思っています。できたら美術館に行くことも増やしたいなと欲張っているので、2019年の鑑賞キャンペーンと称していたりします(私の中だけだけど!)。
以下、ねたばれへの配慮は基本的にあってないようなものです。
◇2019.1.5 -『LILIUM ーリリウム 少女純潔歌劇ー』
◇2019.1.6-『LILIUM ーリリウム 少女純潔歌劇ー感謝祭』(友人から借りて)
演劇女子部 ミュージカル「LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-」 [DVD]
- 作者: モーニング娘。’14 メンバー×スマイレージ
- 出版社/メーカー: アップフロントワークス(ゼティマ)
- 発売日: 2014/09/24
- メディア: DVD
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永遠の命と人間の生はロマン☆☆☆ / ウルがすきな私叫びましたよね☆☆☆☆ / 少女たちうつくしい☆☆☆☆
ときどき、「絶対好きだから」とだけ伝えられて、背中を押されることがある。『BANANA FISH』と同じように、『LILIUM』もそんな風に声をかけてもらうことの多い作品だったので、いつかは……と思っていた。そんなことを呟いたら、DVDが送られてきたのだった。すぐ観られないかも……と思っていたしそう伝えたような覚えがあるのだけど、同封の手紙には「いつでもいいよ」と書いてあった。すごい。
詳細な感想については、長くなってしまったので別途書きたいなと思っています。あと、新作を生で見てしまいたい気持ちが強くなってきた。チケットといっしょに、追いつかなくてはいけないのでは……? という心配をしている。
◇2019.1.6 -『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(字幕版)』(Amazonビデオでレンタル)
魅力的なキャラクター&ビーストたち☆☆☆☆☆ / レトロで素敵な衣装☆☆☆ /
思いの外、こわい話だった。
ふわっとした「ビーストたちがキュートな話なんだけど、2からはちょっとダーク。でも面白いよ!」というイメージを持っていたのだけど、これは愛すべきキャラクター&ビーストたちの印象が強いから、この作品単体では表に現れすぎてはいないけれど、ほんとうはすごく恐い話なんだなあ……というのがまず一番に抱いた感想だった。魔法使いとマグル(人間)、国によって異なる魔法界の方針や、魔法使い同士の政治だとか。思っていたより随分ダークだ! だからこそ、不器用なニュートの存在が浮かび上がって魅力的に思えるのかもしれない。
ティナとクイニーの、仲よし姉妹なんだけどティナがクイニーに抱いている微妙で複雑な気持ちがちょっとだけ描かれる場面とか、こういうこところを削らないでくれるのがすごいなあと思う。そして、ジェイコブとボウトラックルが作中で可愛さを争っていた映画だった。
◇2019.1.13 -『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(映画館)
wwws.warnerbros.co.jpとにかく罪☆☆☆☆ /あまりにも罪☆☆☆☆ / みぞの鏡の衝撃たるや☆☆☆☆
グリンデルバルドとダンブルドア、あまりにも罪深くないです……? あれは罪だ。罪。
あのあまりの罪深さに、ダンブルドアが一部の人々から敵視されているのか、よくわかってしまった。あなたがそう選択しているのはずるい、と思わせてしまうようなところがダンブルドアにはある。だって、あまりにも……(はい)。
実はハリポタは訳を受け止めきれなくなってしまい、不死鳥の騎士団以降を読めていない。ただニュートが書いたという本は読んでいる、くらいの知識なのだけど、例の場面で「みぞの鏡だ!!!」と脳内で叫んでしまったので、私なりに好きだったし覚えているんだなあと思った。
冒頭からグリンデルバルドの残虐性が、物語が進むにつれてわるい魅力だとか企みが少しずつ明かされていくのだけど、作中の演説が巧みで、ありがちな「何だか悪い悪役」ではない部分があるのがずるくてうまいなあと思った。揺れ動く人の心を突いてくる。ハリーの世代でも根強くてびっくりした、魔法界の迫害と選民思想の根深さがぐっと露呈してきて、前作にも増してその息苦しさが物語に鎖となって絡んでいる話だった。*1
グリンデルバルドとダンブルドアの過去編と続き!! 続きと過去編を頼む。それに尽きる。
◇2019.1.26 - 『劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」?.presage flower』(Amazonビデオでレンタル)
劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」?.presage flower
- 発売日: 2018/07/28
- メディア: Prime Video
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夏服のワンピースとサンダル☆☆☆☆ / 初見でもわりといける☆☆☆ / 続きを観なくては☆☆☆
Ⅰ.presage flowers主題歌Aimer「花の唄」の「私が摘んだ光をみんな束ねて貴方の上に全部 よろこびのように撒き散らしてあげたいだけ」という歌詞の、ひそやかにぞっとする剥き出しの危うさが最高にすきで、上映中観に行くか悩んでいた。結局観に行けないままⅡ.lost butterflyが公開されてしまったのだけど、この主題歌「I beg you」を聴くうちに、どうしてもこの二曲で語られる人物を知りたいと思った。
ざっとした設定*2をなんとなく知っている状態で観たけれど、意外なことに、わりと大丈夫だった。*3
物語はここからだというところで終わっていて、とにもかくにも桜が何やら鍵を握っていて、「わるいこと」をさせられている(している)ことが示されて終わった。桜は間桐家の触媒もしくは贄なんじゃないかなあ……という気がしている。
真冬に夏服のワンピースとサンダルを身につけている桜の姿が、痛々しくて切なかった。軽やかなワンピースはかわいいけれど、壊れそうなおんなのこの鎧にしては儚すぎる。士郎はストーブをつける前に服を買ってあげて、と思った。*4夏服のワンピースが表している桜の危うさが、救われるようなものであったらいいなと思っている……。
◇2019.1.30 -『コクリコ坂から』(TSUTAYA DISCASでレンタル)
青春☆☆☆☆☆ / もうここにはないあの頃☆☆☆ / 水沼くんが人気なのはとてもよくわかりました☆☆☆☆
とにかく松崎海という女の子が静かに凜としていて、大股で一歩一歩をふみしめるように歩く姿が印象的な物語だった。
これも、友達に「ぜったい好きだよ」と言われていた作品。タイトルとこの↑ビジュアルしか知らないままだったので、最初「メルってハイカラな名前だな、フランス語から取ったんだろうけどどんな字をあててるんだろう」と思っていた。途中でようやく海が名前で、メルがあだ名のようだということに気づいた。最初は海の置かれている環境や、ひとりでコクリコ荘のほとんどを担っている様子に胸が痛んでしようがなかったけれど、カルチェラタンを通して変化が出てよかったなあと思う。
もういまにはないあの頃を舞台にしたお話はささやかなものかもしれない。海の「血が繋がっていたとしてもあなたがすき」と伝えられるしなやかな強さ、自分という芯のある女の子が持つ魅力が穏やかに流れていて、とてもよかった。物語が始まる前から、きっと風間くんは海が気になっていたんだろうなとか、風間くんはずるいくらい格好いいけど歳相応なところもあって甘酸っぱかったし*5(自転車とコロッケはずるすぎると思う)、青春だった。そして、最後に流れる主題歌の歌詞にどきっとしてしまった。
*1:観終えた後に公式HPを見に行ったら、どうしてもそういうパッケージングでよいです?? と思ってしまう。
*2:聖杯戦争に参加する魔術師たちは、英霊と契約を結んで戦う・何か桜が中心の話らしい
*3:基本的にシリーズ履修済みに向けた作りで、とことん説明がないのだけど、OP代わりの映像で省略された箇所がふわっと分かるようになっているので、行間を読むのが得意な本読みはわりといけた。ただし、聖杯戦争の重要さがきちんとわかっていないので「しなきゃだめ?」とは思ってしまった。
*4:桜色のダウンを羽織っていたから、それは買ってあげるなりなんなりしたんだろうけれど。
*5:振る舞いで、明らかに異性への扱いが慣れている水沼くんと対比されているのがよくわかった