この本の隣にあの本を置く

本と日々にまつわることをすきなように、すきなだけ

手帳と私についてのささやかな記録

f:id:nanakikae:20190227025921j:plainずっと、「手帳」という存在にときめいてきた。
まず、本と似ているところがいい。物としてかたちが整っていて眺めているだけで素敵に思えた。そして何より、使ううちに「私だけのもの」へと変化していくのが好きだった。

手帳のことはずっと好きだったし、それなりに使ってきてはいた。でも、一年間まるっと通して「日常的に」使えたことは、たぶんない。

だけど、今年はゆるやかに手帳が続けられている。手帳を生活の中に取り入れることは、2019年の目標のひとつだということもあり、とても嬉しい。

nanakikae.hatenadiary.jp

手帳という存在が今までよりずっと近しく馴染んでくると、体感だけではなく、紙の上にも「私の過ごした時間」がゆるやかに流れていることに気づいた。それは私にとって、とても革命的な出来事だった。
ときどき何も書かない日だってあるけれど、手帳があることで、時間はただただ過ぎゆくばかりのものではなくなった。こんなふうに、記録を重ねていくことを楽しいと思うようになったんだなあ……と感慨深く思いもした。

手帳、楽しい。手帳が楽しいって、すごく新鮮で嬉しい! 
そう思うようになって、だいたい二ヶ月が経つ。

以下は、ゆっくりと私の生活に馴染んできた手帳についてまとめた記録です。
 

◎今年の手帳  -  MATOKA(SAGE)

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その月のマンスリーページには、いつぞやに倉敷クラシカで買ったブックダーツを使って、スピンを引かなくてもぱっと開けるようにしています。
 

本当は、手帳道具のケースとして、リバティのピーコック柄が可愛いちいさいひきだしポーチのことが、ずーっと気になっている。あまりにも可愛い。タッセルもずるい。でも、手帳はあんまし持ち歩かないしなあ、と悩んで悩んで、悩んでいる。ぜんぜん買えるのだけど、ふんぎりがつかない。でも、ちいさいひきだしポーチなら、マスキングテープだって余裕で入るよね……*2という問答が、頭の中でえんえんと繰り広げられている。まだ、在庫ある。

www.1101.com
書き換えることが多いマンスリー部分は、FRIXION BALL slim(ブラウン・ネイビー / 0.38mm)を使い分けて書いている。
ウィークリーで主に使っているのは、HI-TEC-C maica(ブラウン / 0.3mm)。使い切りタイプのハイテックで、色と書き味が気に入っている。軸がほんの少し太めなのもいい。*3
黒字で書きたい気分のときは、ちょっとレトロな雰囲気のエナージェル クレナ(0.3mm)。
ほんとうは万年筆を使いたいところだけど、小さい手帳を選んだので、EFのペン先じゃないとちょっとくるしい。とはいえ、ときどきKawecoのマキアートで書いていたりもする。

使い始めはマンスリー部分もハイテックをつかっていたのだけど、思いの外予定が変更になることが多かった。困って、久しぶりに修正テープを買ってみた。ミドリの小さくてシンプルなシリーズのもの。何にでもすぐシールやマスキングテープを貼ってしまう女なので、キャップ部分にマスキングテープを巻いて、なんとなく手帳と色をリンクさせている。

XS 修正テープ【白】 35263-006

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◎手帳には、ぴったりかつお気に入りのものが必要

いざ手帳生活が楽しくなってみると、“手帳にぴったり合うもの”がなかなかみつからないことに気づいた。
SAGEは「新書サイズ」と書いてあるけれどやや変型で、字の小さい私にはぴったりだけど、手帳用として売られているグッズは少し大ぶりだった。そして、私は(可愛い!)と思っても、自分にちょうどよくなければ、あんまり欲しくならない。
つまりは、たいへんわがままなのだ。
東急ハンズやLOFTをうろうろするたびに、いったいどんなものが欲しいのかがはっきり見えてくる。中でも一番は何だろうと考えたときに残ったのが、(やっぱり、いまの手帳にぴったりサイズのスタンプがどうしても欲しい)という気持ちだったので、ぱっと作ってしまうことにした。
……欲しいものは、作ってでもほしい。無いものは、だいたい作れる。

そう決めて、作ったのがこちら。

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近しいものはあったけれど、ぴったりが欲しかったから作ったはんこ

中でも、マンスリーの横に捺す、映画や美術館に行ったことを記録するスペースの見出しとして作ったはんこがお気に入り。切手部分には、毎月違うマスキングテープを貼る決まりにしている。この下に日付と何を観たのかを簡単にメモして、一覧化できるようにしている。1月はたくさん映画を観たので、いっぱい記録が並んでいて嬉しかった。 手帳と同じく、出来るだけ映画を観ることも今年の目標の一つです。

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えらいぞ! と自分を鼓舞したいときに捺す。

2018年はいろいろつらいことがあり、素直に「褒めてほしい!」と主張してみることの大切さや(自分で自分を褒めるのは誰にも迷惑をかけないし、ハッピーだな……)と気づいた年だった。……という学びを活かして、2019年は積極的に自分を褒めるべく、えらいスタンプを作ったのでした。
ゴミ出してえらいね、とか、納品してえらいね、とか。筋トレしたときはハイパーえらいね、とか。「私、なんだかとってもえらいかも!」というときにこのはんこをぽすんと捺すと、何だかちょっとばかし報われたような気持ちがする。特別しんどくて、でもなんとか乗り切った一日はこのはんこのみで記録が終わっていたりするし、「私えらすぎて大変! すごい!!」といっぱい捺すこともある。いったい何をしているんだろう、と思わないでもないけれど。

こういうささやかなオーダーメイドは、当然のことながら、愛はあれどもコスト的には圧倒的に赤だ。でも、ただただ「好き」と私だけのためだけの「ぴったり」を用意する心地よさって、最高に素敵で気持ちがいい。ふつうに買った方がもちろんお財布には優しいし、ちょっと「ぴったり」でないだけで、素敵なものはたくさんある。だけど、一度知ってしまった心地よさの味は、ついつい近寄ってしまうくらいに甘いのだった。あと単純に、何かを作るのが好きなんだろう。

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手帳用のはんこは、以前作ったものと一緒に、銀座の古道具屋さんで買った印箱におさめている。

 

◎日常を記録するという、ささやかな楽しみ

SAGEには、ウィークリーページにちょっとしたことを書きつけるスペースがある。真ん中で分かれているので、左半分はやることリスト、右半分を日記めいたことを書くスペースにあてて、いわゆるバレッドジャーナル方式(のゆるふわver)で記録をつけている。

その左半分には、ぴったりサイズに作ったチェックボックスはんこ*4を、週末にまとめて捺すことにしている。インクパッドの色は、毎週替えたり、替えなかったり。とくに素敵な予定がある日には、きらきらしたほうを捺すことにしている。ここぞとばかりに、メタルインクを使って。

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(おそらく)この手帳にだけしか合わないはんこ。うまく捺せないときもある。

チェックボックスを捺さない右半分には、その日あった出来事や読んだ本の感想を、寝る前にちょっとばかし書くスペースにしている。頑張れば140字くらい書けそう、というこのくらいの紙幅が気楽でよかったのかもしれない。

手帳に書いてある私の字は、ときどき、めちゃくちゃよれよれしている。つまりは、きたない。もともと、字はあんまりきれいなほうではない。でも、それが案外よかったりもする。そのよれよれの線に、その日の私が滲んでいるから。

たいしたことは書いてないものの、読み返してみると、日常の記録はなんだかじわっと面白い。ふふっとする程度の面白さなのだけど、何しろ自分がしたことなので、自分にだけはコンテクストがあるのだ。ときどき読み返して(それはなんだかいいかもね)と、過去の自分に対して相槌を打ったりしている。

たとえば、こんなの。

 
◎これからの手帳と私

ぽっかり一週間も空いたりせずに記録が続くのははじめてのことで、つい何度も書いてしまうくらい、まだまだびっくりしている。たぶん、バレッドジャーナルが合っていたんだろうなあ。半年くらい続いたら、もっと手帳周りも手帳に書きつけた記録も、変化しているんだろうな。と、考えてみたりしている。

手帳が生活に馴染んできていることで、毎日がゆるやかに楽しくなったのは、とても大きな発見だった。ただ時間が過ぎていくばかりだと、さみしく思うことも減った。手帳を書くことで、日々を重ねていく時間や自分の内側がやんわりと可視化されていくにつれ、日常に行間のようなものが出来ていくような感じがして、それがいまはとても新鮮で、心地がいい。

一年経ったら、もう少し手帳はくたっとしてるかな。紙はよれてるかな。字は上達しないだろうけど、愛着は増えていく気がしている。

毎日後ろに流れていく過去の私が、手帳を開くと、ごく短い文の上にほのかに滲んで現れる。何でもないだろう、私だけしか見ていない景色。そうしたささやかさを、私なりに重ねていけたらいいなと願いながら、今日も手帳に向かっている。

 

 

*1:強粘着なのが地味なこだわり。花霞堂という屋号で、豆本や紙ものを作っています。

*2:ジェネラルパーパスケースにも、一巻きくらいなら入る。

*3:ふつうに並んでいたけど、どうやら廃盤っぽい? ので、使い切ったらべつのものを探さないといけない。

*4:ぴったりサイズなので、ちょっとでも捺す位置がずれるとぴったりにならない。